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Showing posts from September, 2019

YS-11

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先週、「飛行可能なYS-11がヤフオクに出品されていることがネットで話題になっている」とニュースサイトに出ていました。最初は、ふーんという程度の感想だったのですが、ふと、入札する人はいるんだろうかと気になってヤフオクを覗いてみました。 開始価格3,500万円、即決価格5,000万円。単にメカの調子が良いから飛べる、というのではなくて、法的に飛ばせる状態にある(つまり耐空証明がまだ有効)というのがすごいです。 写真をみると、日本エアシステム時代のレインボーカラーの塗装がそのまま。現在はスリランカにあるんだそうです。入札状況は、というと、オークションはすでに終了していました。どんな人が買ったんだろう、と記述をたどっていくと、店頭で売れてしまったとのこと。 面白かったのが問い合わせとその回答。36件の問い合わせには、冷やかし、興味半分、おせっかいといろいろある中で、ガチで購入を考えている方々の専門的な問い合わせが多かったのに少々びっくり。冷やかしを含めてどの質問に対しても出品者の回答が丁寧だったのも印象的でした。 どんな方が購入してこれからどうするんでしょうね。 さて、そのYS-11。戦後初の国産旅客機(装備の多くは外国製ですけど)として開発され、全部で182機が作られました。主に全日空と東亜国内航空(後の日本エアシステム、その後JAL)が昭和40年(1965年)から平成18年(2006年)まで国内線で運行していました。海外にも輸出され、何とアメリカの航空会社でも使われていました。 日本では航空会社の他に航空自衛隊、海上自衛隊、海上保安庁、航空局が使用していました。長らく大事に使われてきましたが老朽化には勝てず、航空局は平成18年(2006年)、海上保安庁と海上自衛隊は平成23年(2011年)に全機退役させ、現在YS-11を運用しているのは航空自衛隊だけとなってしまいました。貴重なその姿は入間基地航空祭で見ることができるようです。 他の機体はどうでしょう。まず、試作1号機。まだ残っています。 YS-11試作1号機(JA8611) 成田にある航空科学博物館で野外展示されています。これは2010年に撮影したものですが、今でも同じ。野外展示というより野ざらしのように見えます。 量産1号機

成田ジャンク市とヒコーキ写真

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成田の航空科学博物館で春秋に開催されているジャンク市を覗いてきました。今年は博物館開設30周年を記念してリニューアル。「体験館」という建物も新設されて、ジャンク市の会場も今年から「体験館」です。 10時開館で10過ぎに着いたのにこの行列。会場に入るまで1時間位かかりました。 行列の途中の階段脇に展示されていた骨董品のエンジンふたつ。 ロンドン訪問記にも書いたたロールスロイス・マーリンです。 もうひとつはプラット・アンド・ホイットニー R-2800 ダブルワスプ。 会場内はこんな感じ。タービンブレードの手頃なのが欲しかったのですが今年は見当たらず。キーホルダーとストラップを買ってきました。 こんなのも置いてありました。 巨大なドローン。人ひとりくらいなら乗れそう。大型ドローン制御技術の実証実験用無人機だそうです。ただしモックアップ。 さて、成田に来たらお楽しみはヒコーキ撮影です。 野外に展示してあるB-747の機首。いつ見てもデカイ。 次は展望デッキから。 タイ・ライオン・エアーのA330-300。バンコク(ドンムアン)行き。 ANAのB787-9。どこ行きかな。暑いので早々に退散。 近くにある空の駅「風和里しばやま」へ行ってみます。見かけることが少なくなった4発機が飛んでいきます。 スカンジナビア航空のA340-300。コペンハーゲン行きでしょうね。 またまた場所を変えて「さくらの山」。成田で一番好きな撮影スポットです。とくにこの日のような南風運用の日が好み。出発便が固まっている時間帯だったので、いろいろ撮れました。 香港航空のA330-300。 シンガポールのLCC、 スクートのB787-9。シンガポール航空の子会社。同じくシンガポール航空子会社のタイガーエアと統合されて、会社はタイガーエアに統合されたけど運行ブランドはスクート。ややこしい。 こちらはタイガーエア台湾のA320-200。タイガーエア台湾は、シンガポールのタイガーエアと台湾のチャイナエアライン(中華航空)の合弁会社。 アエロフロート・ロシア航空のB7

蘇ったNikkor 50mm F1.4

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いきなり、レストア完了後の「Nikkor-S Auto 50mm F1.4」です。 きれいに治りました。半世紀以上前に発売されたレンズなので、新同品とは言えませんが私的には美品です。以下、大雑把なレストアの顛末です。 なお、あくまでも素人が自己責任でやったことなので、この通りにやればうまくいくと保証するものではありませんし、レストアを推奨するものでもありません。どうかご承知おきのほど。 また、バラしていて気がついたのですが、目印と思われるケガキ印が数箇所着いていました。私の手許に来る前にどなたかがバラしたのかもしれないので、そもそも正規に組み立てられた個体ではない可能性があります。 きれいに治った「Nikkor-S Auto 50mm F1.4」 矢印の丸サラネジ(3本)を外すとフォーカスリングが外れます。 矢印のイモネジ(1本)を外してフィルター取り付けリングを左に回すとフィルター取り付けリングが外れます。 矢印のサラネジ(1本)を外すと、レンズアッセンブリーがごそっと外れます(右側の黒い塊)。 最前面の化粧リング(「NIKKOR-S Auto …」と書いてあるやつ)を外すと前群の前玉が外れます。前玉の後ろのカニメを回すと残りの前群を外すことができます。後群は、後端の直径が小さい部分をねじると外れます。カビは後群のレンズにびっしりと着いていました。作業に熱中していたため、カビの写真を撮るのを失念! ここまでやって一旦組み上げたのですが、絞りの動作がイマイチスムーズさに欠け、ヘリコイドの動きも心なしかスカスカに思えます。 じゃぁ、やるか。 絞りは、さすがに羽一枚一枚までバラすのが気が引けたので、アルコールじゃぶ漬けにして油分を落とし、「鍵穴のクスリ」という粉末潤滑スプレー(成分は窒化ホウ素)をさっと吹いて動きをなめらかにしました。粉なので、レンズのゴミになるかもしれませんが、自分で使うぶんには、ゴミが出たら拭けばいいや。 さて、次はヘリコイド。 ヘリコイドは、奥に隠れている平ネジ(矢印2本)を外してクルクル回すと抜けます。ヘリコイドは2重なので、内外両方外します。ここで気をつけなけれないけないのがヘリコイドが外れた位置。 ヘリコイドというのは、ネジを多条にして通常のネジ(1条)よ

フジのカメラとオールドニッコール

この夏、そろそろ暑くなり始めた7月下旬の週末、カメラ関係のサイトをうろついていたら「 かめらと。 」というサイトに出会いました。記事をいくつか拝見してみると、写真も文章もとてもクオリティが高く楽しめるサイトです。 最初に偶然たどり着いたのは「 X-Pro1とNikkor-S Auto 50mm F1.4でのんびりお散歩フォトを楽しむ 」という記事。いわゆるフォトエッセイですね。 富士フイルムのミラーレスにニコンのオールドレンズをつけ、散歩がてら試し撮りをするという趣向ですが、取り上げられていたレンズに見覚えがあります。いつか直してやろうと思いつつ、保管箱に放り込んだままのファインダーカビだらけのNikomat FTn。それに付けっぱなしのカビだらけの50mm、確かこれじゃなかったっけ? 保管箱をゴソゴソ探して確かめてみたら、間違いありません。 もうひとつ気になったのがカメラ。そろそろミラーレスが買い時かなあと漠然と思っていたところにこのコラム。ベイヤー配列じゃない独自配列のセンサーと光学+EVFのデュアルファインダーが特長のFUJIFILM X-Pro1が取り上げられていました。 フジのカメラは昔よく使っていました。初めて手にしたカメラがフジカミニ。大人になってからも富士フイルムとは縁があって、一時期、一眼レフ FUJICA ST-701、ST-801、AZ-1、コンパクトカメラ(当時はバカチョンと呼んでましたね)フラッシュフジカ、(おそらく業界初の)ヘビーデューティコンパクトカメラ HD-1、果てはブローニーのGWシリーズまで使い倒していた時期がありました。 お気に入りだったのがAZ-1とHD-1。AZ-1は、50mmレンズが標準付属品として当たり前だった頃に、43-75mmというズームレンズを標準付属とした意欲作。ズーミングとフォーカシングがいっぺんにできる直進式ズームが気に入ってました。 HD-1は公式には水中カメラではないものの、水中でも使えるカメラでした。目測のフォーカシングなのに写りはとてもシャープ。山岳写真の巨匠、白籏史朗氏がHD-S(ストロボ内蔵タイプ)を評して「ピントが良くて大きく伸ばしてもビクともしない」と雑誌で絶賛していました。 コラムでもうひとつ取り上げられていたのがフォーカルレデューサーというマウントアダプ

ロンドン訪問記 その10 -さらばロンドン-

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今回のロンドンは、行きも帰りも鉄道に泣かされました。ヒースローから市内へは、ヒースローエクスプレスという高速列車で空港からパディントン駅まで行って、そこから地下鉄に乗り換える、というのが一般的だと思いますが、着いたときはヒースローエクスプレスが何らかのトラブルで運休。帰国時はパワーライントラブルで運休。おかげで行きも帰りも重いスーツケースを引きずって地下鉄を乗り継いで、というハメになりました。 これは地下鉄。 ロンドンの地下鉄の歴史は150年以上。世界最古の地下鉄だそうです。ロンドンでは地下鉄のことを「subway」ではなく「tube」と言います。トンネルがチューブのようだったからだそうです。初期の列車は蒸気機関車だったので、駅は煤だらけだったそうです。トンネル掘削技術も未熟で長らく太いトンネルは掘れなかったようです。その結果がこの小さな車両。天井のカーブはトンネルのカーブに合わせたため。社内は驚くほどの狭さです。 空港では日本ではお目にかかることができない機体を見ることができました。 英国航空のコンコルド もちろん野外展示です。誘導路の端にひっそりと置かれていました。 ケニヤ航空のB787-8。日本への便はありませんね。 また来たいのは山々なれど、おそらくもう来る機会はないであろうロンドン。さらばです。 今回持ってきたNikon Coolpix P900。35mm換算で2,000mm相当の望遠に期待したのですが、その威力を発揮したのは出発前の羽田と帰国時のヒースローのみ。ロンドンで多用したのは常用域の焦点距離だけで、超々域の焦点距離は出番なし。5段相当の手ブレ補正機構内蔵とはいえ、1,000mm前後あたりから手持ちで被写体をファインダー内に収めるのは至難の業。おまけに空気が乾燥して澄んでいないと被写体が陽炎でゆらゆら~。帰国後、P900はフリマで売却してしまいました。 最後まで駄文にお付き合いいただき、ありがとうございました。『にほんブログ村』のランキングに参加しています。よろしかったら一票お願いいたします。 にほんブログ村 にほんブログ村